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トルマリンだぞ

日本での生活も落ち着いてきたある日、当時訪問先の企業から、ピンクトルマリン原石が3トン手に入るかという依頼があった。

早速ブラジルと連絡をとり、リチアトルマリン原石3トンを日本に輸入し販売をした。

リチアトルマリン原石の販売は初めてだった。

何に使うのだろうかと量が量なので少し心配はあったけれど、相手の要求がリチアトルマリン原石と名指しできていたので、

そこを信用して、無事取引を終わらせた。

忙しい毎日の中で、そんな取引があったことも忘れていたある日、その3トンが「思っていたものと違う」の一言で、返されることになった。

戻ってきた原石をみてまたまたびっくり100キロが粉砕されていた。今思えばリチアトルマリン原石の325メッシュ。


当時はそんな返品も許されるほどトルマリンが世間にしられていなかったのだ。


そのころ唯一使われていた、トルマリンのルースを作るとき出る削りくず、それが粉砕されて繊維などに使われていたことは知っていた。

透明石なので粉砕するとすべて透明の粉末になる。ピンクの粉末になってしまっているのを見て、びっくりして返品してきたのだろう。


これをどうすれば良いか、何も思いつかない。毎日毎日粉砕されたピンクの粉を横目で見ながら、仕事をしていた。

暑い8月、昼間からシャワー浴びていた、ブラジルにいたころの習慣でシャワーは毎日,何回でも入る。

たまたまお風呂にお湯を入れてあったので、そこにリチアトルマリンの粉末をひとつかみ何気に、

お風呂に入れ恐る恐る足からゆっくり入ってみた。何とも言えない快い感覚、今でもはっきり覚えている。

これが、日本で、いいえ世界でトルマリンをお風呂にいれて入浴した初めての人となったお局さんです。

トルマリンのはいったお風呂の湯をこのまま流すのは心もとないと思い、ベランダにおいてあった子供たちが、

夏休みに学校から持ち帰っていた朝顔の苗木にそのお風呂の残り湯をかけてみた。


暑さで枯れかけていた苗木、次の日の朝、娘が「枯れていた朝顔に花が咲いている」


うれしそうな顔をして、私の眠っている部屋に飛び込んできたのを覚えている。


この日から、トルマリンを使った研究が続けられることになる。


トルマリンのことを何も知らなかったお局さんが、トルマリンにのめりこんでいくきっかけとなった瞬間でーす

 

他国のトルマリンは鉄分が多く、

ブラジル産のトルマリン不純物が少なくとても高品質です